はじめに
源泉徴収票は、毎年のように扱う書類ですが、実は「封筒の選び方ひとつ」で安全性も業務効率も大きく変わる、とてもデリケートな書類です。
封筒のサイズや窓位置が合わないと入れにくかったり、角度によって中身が透けて見えてしまったり…総務・人事担当の方であれば、一度はヒヤっとした経験があるのではないでしょうか?
この記事では、源泉徴収票の封筒でお悩みの方に向けて、
- どのサイズの封筒を選べばいいか
- 窓付き封筒と帳票の“位置合わせ”の考え方
- 個人情報が透けない素材やセキュリティ面の工夫
- 自社で印刷する場合と、印刷会社に依頼する場合のポイント
などを封筒専門メーカーの視点からわかりやすく整理しました。
年末の発送業務をスムーズに進めたい企業の担当者さまはぜひ参考にしてください。
目次
源泉徴収票を送付する際の封筒選びのポイント

まずは、「源泉徴収票を送る封筒を選ぶときに、最低限ここは押さえておきたい」という基本のポイントから整理していきます。
サイズや窓位置、素材選びを事前にチェックしておくことで、あとからのトラブルをぐっと減らすことができます。
サイズ(長3・長4など)と窓付き封筒の適合性
源泉徴収票を入れる封筒として、最もよく使われるのが
- 長3封筒(A4を三つ折りで封入)
- 長4封筒(B5を四つ折りで封入)
の2種類です。
多くの給与ソフトや帳票が、このどちらかのサイズを想定して設計されています。
特に窓付き封筒を使う場合は、帳票に印字される住所の位置と封筒の窓位置(mm)がぴったり合っていることが大切です!
少しでもズレると、
- 宛名が窓から途中で切れてしまう
- 氏名だけでなく、不要な項目が窓から見えてしまう
といったトラブルにつながります。
封筒メーカーが用意しているテンプレートを利用すれば、迷わず綺麗に封入できますよ。
帳票ソフト・給与ソフトへの対応
市販されている給与ソフト(弥生、マネーフォワード、freee、ピーシーエーなど)は、各社ごとに印字位置が微妙に異なります。そのため、封筒の窓位置と帳票の印字位置が合うかどうかが最重要ポイントになります!
専用帳票に対応した封筒を選べば、宛名書きが不要になり、作業効率が大幅に向上します。
一方で、複数の給与ソフトや帳票形式を併用している企業では、「どの帳票にも使い回せる汎用的な封筒」を選びたいというニーズもあります。
その場合は、オリジナルの窓付き封筒を作成し、主要な帳票に対応できる位置で設計しておくと、翌年以降の業務もスムーズになります。
記載内容が透けない素材(グラシン封筒など)
源泉徴収票の多くは金額や給与情報など、外部に見えてはいけない情報が含まれています。
一般的な白封筒では、光の角度によって内容が薄く透ける場合があるため、セキュリティ性の高い素材を選ぶことが大切です!
たとえば、透けにくい「グラシン紙」や「中貼り封筒(内側がグレー)」は、企業の総務部門を中心に人気があります。
「どの程度まで透けを防ぎたいか」は、企業のポリシーや取り扱う情報によって異なります。
東京封筒では封筒の内側がグレーになっているタイプやより安心感の高いセキュリティ封筒のご提案も可能です。
封筒のセキュリティ対策について詳しく知りたい方は、『個人情報が漏れない!封筒のセキュリティ対策』もご覧ください。
源泉徴収票用封筒の種類と特徴

ここからは、実際にどのような種類の封筒が源泉徴収票の送付に使われているのか、「窓付き/窓なし」「専用封筒/汎用封筒」といった切り口で整理していきます。
窓付き/窓なしのメリット・デメリット
まず、源泉徴収票では「窓付き封筒」を選ぶ企業が増えています。
帳票に印字された住所・氏名をそのまま宛名として使えるため、手書きやラベル貼りの手間を削減できるからです。大量発送が発生する年末調整業務では特に便利です。
一方で、窓付き封筒には次のような注意点もあります。
- 帳票と窓位置が合っていないと宛名が途中で切れる
- 窓から不要な情報(支給額など)が見えてしまうリスク
- 紙とフィルムの組み合わせにより、透け方が変わる
対して、窓なし封筒は帳票との相性を気にせず使える汎用性が魅力です。宛名は、
- 封筒に直接印刷する
- 宛名ラベルを貼る
などの手間はかかりますが、その分「窓から見えすぎる」問題が起こらないため、セキュリティ面を重視したい企業に選ばれる傾向があります。「効率重視なら窓付き」「安全性と柔軟性重視なら窓なし」と考えるとイメージしやすいでしょう。
窓付き封筒と窓なし封筒の比較について詳しくは下記の記事をご覧ください。
専用封筒と汎用封筒の違い
専用封筒は、給与ソフトや帳票メーカーに完全対応した窓位置・サイズになっており、封入するだけで宛名が綺麗に表示されます。作業効率が高く、年末調整のように大量発送の際に非常に便利です。
一方、汎用封筒はさまざまな用途に使える汎用性が魅力で、価格が比較的安いのが特徴。
帳票の種類が多い企業や、小規模事業者には使いやすい選択肢です。
どちらを選ぶかは、「作業量」「使用する帳票ソフト」「コスト」のバランスで判断しましょう。
長形封筒に入らない場合の折り方・サイズ調整方法
与システムや帳票の設定によっては、標準的な長3・長4サイズにそのまま収まらないケースもあります。その場合は、A4帳票を「二つ折り」または「三つ折り」にして封入する方法を検討しましょう。
一般的には、
- 長3封筒:A4を三つ折り
- 角形封筒:A4を折らずにそのまま
という使い分けが多く見られますが、折り方によっては「折り目の上に重要な情報が来て読みにくくなる」こともあります。
おすすめは、
- 源泉徴収票のレイアウトを確認し、氏名や金額部分に折り目が重ならない位置で折る
- 可能であれば、折らずに入る角形封筒の採用も検討する
という二段構えです。どうしても長形封筒に収めたい場合でも、「折り方の標準」を社内で決めておくと、毎年の作業品質を一定に保ちやすくなります。
源泉徴収票封筒で起こりがちなトラブルと対策

ここでは封筒専門メーカーとして実際によくいただくお悩みをもとに、「源泉徴収票の封筒で起こりがちなトラブル」と、その予防策をまとめました。
年末の忙しい時期に慌てなくて済むよう、事前チェックのヒントとしてお役立てください。
窓位置が合わず、宛名や金額が見切れてしまう
最も多いご相談のひとつが、「宛名の位置が窓と微妙に合わない」というものです。
対策としては下記のようなものがあります。
- 送る前に「テスト印刷 → テスト封入」を必ず行う
- 給与ソフト側の印字位置調整機能を活用する
- どうしても合わない場合は、窓位置を微調整したオリジナル封筒を検討する
一度きちんと合わせておけば、翌年以降の年末調整がぐっとスムーズになります。
窓付き封筒の窓の位置ズレについての具体的な解決策は下記の記事をご覧ください。
透けや封かん不良による情報漏えいリスク
【追加】源泉徴収票は「個人情報のかたまり」なので、「光に透かすと金額が読めてしまう」「輸送中に封が開いてしまった」といったトラブルは絶対に避けたいところです。
こういったリスクを抑えるためには下記のような基本をしっかり押さえておくのがポイントです。
- 中貼り封筒や透けにくい紙質の封筒を使う
- のりしろがしっかり定着するものを選ぶ
- 封かん後に封の部分を軽く押さえて密着させる
大量封入時には作業も流れ作業になりがちですが、「透けていないか」「封がしっかり閉じているか」をチェックする工程をひとつ挟むだけで、安心感がぐっと違ってきます。
封入・仕分けミスを防ぐチェック体制
源泉徴収票の発送では、「封筒そのもの」だけでなく、封入や仕分けの過程でミスが起こることもあります。別の従業員の源泉徴収票を誤って封入してしまうと、重大な情報漏えいに直結してしまいます。
封入ミスを防ぐためには、下記のような二重チェックの仕組みづくりを行っておくのがおすすめです。
- 封入前に、従業員リストと帳票枚数の照合を行う
- 封入後、ランダムに数通を開封・確認する「抜き取りチェック」を設ける
- 封筒の宛名と帳票の氏名が一致しているかを複数人で確認する
印刷・作成方法の選び方

源泉徴収票用の封筒は、「社内で市販封筒に印刷して使う」方法と「印刷会社に窓付きオリジナル封筒として制作を依頼する」方法の大きく2パターンがあります。
それぞれのメリット・注意点を整理して、自社に合った方法を選びましょう。
自社で印刷する場合のポイント(宛名記載など)
自社で印刷する場合は、プリンターの対応サイズや封筒の厚み、印字位置の調整が重要です。特に宛名記載は、フォントの大きさや行間を整えることで視認性が大きく変わります。
また、トナーのにじみやかすれが起きないよう、封筒の素材にも注意しましょう!
作業前に必ずテスト印刷を行い、窓位置と宛名が正しく重なっているか確認することがポイントです。
封筒印刷を注文する場合の流れ
印刷会社に源泉徴収票用封筒の制作を依頼する場合は、一般的に次のような流れになります。
- 使用している帳票・給与ソフトを整理し、必要なサイズ・窓位置を決める
- 封筒の色・紙質・中貼りの有無など、セキュリティや見た目の条件を決める
- 封筒メーカーのテンプレートに合わせてロゴや差出人情報をレイアウト
- 校正データで窓位置や表記内容をチェック
- 問題がなければ本印刷 → 納品
「窓位置をミリ単位で指定したい」「給与ソフトに合わせた専用封筒をつくりたい」といったご要望は、まさに封筒専門メーカーの得意分野です。
東京封筒の【窓付きオリジナル封筒印刷サービス】なら帳票との相性を確認しながら、最適な仕様をご提案できます。
小ロット・大ロットの価格と発注タイミングの考え方
封筒の価格は、「1回に何枚印刷するか」で単価が大きく変わります。
- 小ロット:1枚あたりは割高だが、在庫を持ちすぎずに済む
- 大ロット:単価は安くなるが、保管スペースや在庫管理が必要
といったトレードオフがあります。
源泉徴収票の発送は、毎年ほぼ同じ時期・同じボリュームで発生することが多いため、
- 過去2〜3年分の使用枚数をもとに、1〜2年分をまとめて発注する
- 支店やグループ会社分も含めた「全体の必要数」を事前に洗い出す
といった工夫をすることで、「足りなくて追加発注」「余りすぎて廃棄」といったロスを減らすことができます。
東京封筒では小ロットから、数万枚単位の大ロットまで柔軟に対応可能です。
源泉徴収票の送付に必要なマナー・注意点

封筒の仕様を整えたら、実際の送付スケジュールや社内フローも合わせて確認しておきましょう。ここでは、実務担当の方が押さえておきたい「スケジュール」「誤送付防止」「個人情報保護」の3つの視点でポイントを整理します。
送付時期・時期別の注意点
源泉徴収票は、従業員の年末調整や確定申告にも関わる重要書類です。社内の各部署や従業員にとっても、いつ手元に届くかは大きな関心事になります。
そのため、
- 年末調整のスケジュールから逆算して、封筒の準備時期を決める
- 総務・人事部門内で「封入〜発送」の担当者を明確にする
- 社内向けに「源泉徴収票発送予定日」を事前に案内しておく
といった一手間をかけておくと、問い合わせ対応もスムーズになり、社内の安心感にもつながります。
誤送付・誤記載を防ぐためのチェックリスト
誤送付は企業の信頼に大きく関わる重大なトラブルです!
封入前に「氏名」「住所」「金額」「扶養情報」などを複数人で確認するチェック体制を整えましょう。
また、窓付き封筒を利用する場合は、宛名位置が正確に合っているかを必ずチェックします。封かん後も、宛名と封入物に相違がないか最終チェックを行うことでミスを大幅に防げます。
個人情報保護の観点から見た封筒の選び方
個人情報保護の観点では、「透けにくさ」「封かんの強度」が特に重要になります。
源泉徴収票の送付では下記のような工夫が行われることが多いです。
- 中貼り封筒やセキュリティ封筒を採用する
- 封かんテープ付きの封筒で、のり付け漏れを防ぐ
- 万一の誤配送に備えて、封筒に「重要書類在中」などを明記する
東京封筒では、個人情報を扱う書類向けの封筒事例も多数ありますので、「どのレベルまで配慮した方がよいか分からない…」という方もお気軽にご相談ください。
源泉徴収送付の封筒に関するよくある質問
源泉徴収票の封筒に関して、総務・人事のご担当者さまからよく寄せられる質問をまとめました!
サイズの選び方から印刷位置の調整、個人情報保護まで、実務で悩みがちなポイントをQ&A形式で解説します。
源泉徴収票の封筒サイズは何ミリが一般的?
最も一般的なのは「長3封筒(120×235mm)」で、A4サイズの源泉徴収票を三つ折りにして封入するケースが多く見られます。長4封筒を使う場合は、B5帳票を折って入れる運用が中心です。
ただし、実際には「どの給与ソフトを使っているか」「帳票を折って使うか、折らずに使うか」によって、最適なサイズは変わります。現在お使いの帳票を一度採寸し、折り方と合わせて検討していただくのがおすすめです。
サイズ選びに不安があれば、東京封筒に帳票のコピーをお送りいただき、最適な封筒サイズをご相談いただくことも可能です。
給与ソフトの帳票と窓位置が合わないときは?
窓位置が微妙に合わない場合は、プリンター設定で印字位置の調整を試すか、専用の窓位置に対応した封筒を選び直す方法が一般的です。
帳票メーカーが推奨している封筒を使うことで、作業の手間が一気に解消されます。
個人情報が透けて見えるのが心配…対策は?
「光に透かすと、金額や住所が読めてしまうのでは?」という不安から、封筒のご相談をいただくことはとても多いです。
その場合は下記のような対策をおすすめします。
- 封筒の内側に色付きの紙を貼った「中貼り封筒」を選ぶ
- 透けにくい紙質の封筒に切り替える
- セキュリティ封筒(内面印刷など)を採用する
どのレベルの対策が必要かは、企業の個人情報保護方針や、従業員数・業種によっても異なります。
「どこまでやるべきか悩んでいる」という段階でも構いませんので、まずはお困りごとをお聞かせいただければ、東京封筒の事例をもとにいくつかの選択肢をご提案いたします。
源泉徴収票用封筒をオーダーメイドするなら東京封筒へ
「市販の源泉徴収票封筒では、うちの帳票と窓位置がどうしても合わない」「セキュリティを高めた封筒に切り替えたい」といったお悩みをお持ちの企業さまには、オーダーメイドでの封筒制作がおすすめです。
東京封筒では、
- 帳票や給与ソフトに合わせた窓位置設計
- 中貼りやセキュリティ印刷など、個人情報保護に配慮した仕様
- 小ロットから大ロットまでの柔軟な対応
など、源泉徴収票にぴったりの封筒を一からお作りすることができます。
「まだ仕様が完全に決まっていない」「現物の帳票を見て一緒に考えてほしい」といった段階でも大丈夫です。スタッフがこれまでの事例や実際の運用イメージを踏まえて、最適なプランをご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
源泉徴収票は、金額情報や住所・氏名など、多くの個人情報を含む重要書類です。そのため、封筒選びでは「サイズ」「窓位置」「素材」「セキュリティ」といったポイントを押さえておくことが欠かせません。
長3・長4などの基本サイズや、給与ソフトとの窓位置の相性を確認しておくだけでも、年末調整の封入・発送作業はぐっとスムーズになります。また、中貼り封筒やセキュリティ封筒を採用することで、個人情報保護の観点からも、従業員の方に安心して受け取っていただける体制づくりができます。
「どの封筒が自社に合っているのか分からない」「今の運用をもう少し楽にしたい」と感じたタイミングが、見直しどきです。
東京封筒では、窓付きオリジナル封筒印刷サービスを通じて、源泉徴収票用封筒の企画から制作まで一貫してサポートしております。
最適な封筒で、安心・確実な源泉徴収票発送を一緒に整えていきましょう。


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